DNP連合とトーハン
DNP連合とトーハン
「出版状況クロニクル」では、
主婦の友社は190万株を保有するトーハンの第5位の大株主だが、今期はその株式も手離すようだ。これも売却先はDNPとしか考えられない。とすれば、DNPがトーハンの大株主になる日も近いということになる出版状況クロニクル 13 (2009年4月26日~5月25日)
と書かれていて、大日本印刷の森野常務もインタビューで
この新しい戦略に取り組む中で、最終の青写真は去年の秋ぐらいに描いたんだけれど、正直言って、時期とボリューム感はまだ入っていない。今、画に入れてあるのは、空欄も含めて、どこのユニットにどんなプレーヤーが必要なのかということ。
―― 欠けているユニットとは。
森野 言えませんよ。それは相手のあることだし、言ったら怒られちゃう。no title
と言っていた。
旧来の業界三者という枠組みでいえば、あとは取次ということになるのだが、今回DNPが構想している図には当てはまらないようにも見える。
と思っていたら、日刊工業新聞なんかに記事が出て森野氏が話していた。
「次は取次会社ですかとよく言われる。パートナーは増やしたいが出資はないだろう。今回の提携で、見えている顧客に必要なものを配本する仕組みが実現する。参加してほしいのは中小規模の書店だ。中小の書店は地元密着型で、顧客が見えているからだ」「印刷大手、新たな枠組み / 垂直・水平 それぞれの拡大路線」 日刊工業新聞 2009年6月10日
同記事からはこんな部分もクリップ。
「印刷大手、新たな枠組み / 垂直・水平 それぞれの拡大路線」 日刊工業新聞 2009年6月10日
「印刷大手、新たな枠組み / 垂直・水平 それぞれの拡大路線」 日刊工業新聞 2009年6月10日
スルーされたトーハンは、自社媒体にこういう文章を載せた。
出版社3社に対する要請文(トーハン会全国代表者一同)(トーハン週報)
出版界のより良き未来のために - DNP及び出版大手三社によるブックオフ株取得について -(書店経営)
トーハンは丸善とは長い間の取引があり、大阪屋が主帳合のジュンク堂も一部トーハンにシフトしている。また、その流通規模や取引高はまだまだ侮れない。*1
一方でトーハンは雑誌流通から始まっており、取引先の書店には町の小さな本屋さんが多い。そのために日販に比べて情報システム化が遅れたという側面もある。上記の媒体はお客様である取引先の書店に向けた刊行物だ。顧客に対するポーズとも受け取れるが、最も先行きの危ういプレーヤーにも見えてくる。