鎌田博樹氏の電子書籍フォーマットに対する無理解がひどい
鎌田博樹氏の電子書籍フォーマットに対する無理解がひどい
6月8日のデジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会(第2回)開催を受けて6月9日のエントリで、
「懇談会」の技術資料が(アマゾンのプライベート仕様を除いて)最大のデファクトであるEPUBについて何の言及もしていないのは「奇怪」というほかなく、逆に強く意識していると思われても仕方がない。no title
傍聴を受け付けていたにもかかわらず行かないで、勝手に妄想して批判。実際は懇談会でちゃんと言及されていた。
ま、電子書籍についての本も出しているITジャーナリストとは違うから取材しないで批判する自由はあるかもしれない。
ところが、6月10日に資料が公開されたのを見て、こんな追記をしている。
難解な表現だが、中間フォーマットではEPUBも反映され、XMDF/ドットブックとEPUBを含む「デファクト」との「中間」としてのフォーマットであると理解できる。no title
「中間フォーマット」とは実際はこういうもの。
印刷会社が保有する最終データをもとにして、様々なプラットフォーム、端末が採用する多様な閲覧ファイルフォーマットに変換対応が容易に可能となる、中間(交換)フォーマットの確立が求められている(ワンコンテンツ、ワンファイル、マルチプラットフォーム)。デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会技術に関するワーキングチーム 第1次報告(案)
XMDF・ドットブック・EPUB・AZW・Topaz・Mobipocket・PDFなどは、閲覧(配信・配布・流通)フォーマット。
ドットブックのTTXやInDesignのIDMLなどが、中間(交換・制作)フォーマットと呼べるものだろう。
植村八潮氏による「電子書籍中間(交換)フォーマット統一案とIEC62448改訂」の資料が分かりやすい。*2
鎌田博樹氏は、IT、電子出版に関するアナリスト、コンサルタント、マーケッター、著述家らしいけど、電子書籍の制作過程について理解も想像もできていないだけでなく、日本語の読解力に問題があるようだ。
電子書籍ビジネスセミナーで儲けるのが仕事なんだろうけどね。受講する人はよくよく考えた方が良いだろう。